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2017.09.08
[グラフィックデザイナー]

永井弘人のポートフォリオVol.1

細部へのこだわりを重視した作品

TITLE
讃岐高松 ちはま 味のり・焼のり(32歳・2016年)
瀬戸内海で一番旬の時期に穫れた海苔のみを使用しているということに着目し、堂々とした佇まいを感じられるようにモノトーンを基調としてシンプルに仕上げました。また地域活性化も意識したリデザイン依頼だったので、それぞれ赤箔を押してキラリと光る名産品をアピールしています。ちなみに味のりは風味の広がりを輪で、焼のりは焼くイメージを表現しています。

デザインをシンプルにしている分、ラベル・パッケージの紙素材で高松という地域色を出せるように心がけました。瀬戸内海のさざなみをきぬもみという和紙で表現したくて工場に依頼したのですが、その素材を機械に通して貼ることはできないと難色を示されたんです。でも、どうしてもきぬもみを使用したかったので何度もお願いしたところ、手作業で貼って貰えることになったんです!

人件費や単価はやや上がりますが、妥協するならリデザインする意味がないのではないかという考えが製作関係者の皆さまにも伝わったのか、最終的にはこのデザインで承諾していただきました。結果、香川県内を中心に売られていた商品が東京のアンテナショップなどで取り扱われる機会が増えたので、こだわりを曲げないで良かったと思っています。

今の自分の基本になっている作品

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デザイン入門書「デザイナーになる。」執筆・出版(31歳・2015年)
「日常とデザインを拡げる。」ということをモットーに、一般の方にもデザインを身近に感じてもらう活動の一環として執筆・出版させていただきました。内容としては、学校で教わることのできるグラフィックソフトの技術や表現方法というよりは、それ以前の思考・思想といった面からそもそも「デザインとは何か」ということをまとめています。

この本で一番伝えたかったのは、あくまでデザインは目的を形にすることであるということ。クオリティや完成度が高いからといって、目的に沿っているかというとまた別の話だと思うんです。

このように、私が大切にしている思考や言葉の骨格がこの一冊に詰まっていると考えると、今の自分の基本になっている作品と言えます。

また、基本に立ち返るという意味も含め、10月28日(土)〜11月5日(日)に「人の顔を魅せるデザイン展」という自主企画のデザイン展を行うのですが、これまでのデザイン事例とその作品ができるまでのストーリーを添えて展示する形にしています。デザインを知らない人に、日常の中でのデザインの有効性が少しでも伝われば嬉しいです。

Vol.1 / Vol.2

PROF.

1984年生まれ。明治大学在学中、所属していたテニスサークルのサークルTシャツをデザインしたことがキッカケとなり東京デザイナー学院に入学。卒業後、デザイン会社2社を経て、2011年に「アトオシ」を設立。「ロゴマークを軸とした展開。」をコンセプトに、ブランディングを中心としたグラフィックデザイナーとして、日々活動している。日本タイポグラフィ年鑑ベストワーク賞(部門最優秀賞)受賞、他多数受賞。

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様々なクリエイターの作品に込めた思いを発信!

▼永井弘人さんの卒業校

東京デザイナー学院 グラフィックデザイン科

グラフィックデザインの一番のおもしろさである紙・印刷を体感できる実習室があり、根本的なデザインを学びます。企業などからの依頼受けてデザインをするプログラムもあり、リアルな人とのコミュニケーションを通して、デザイナーが総合的に必要な力を身につけます。