吉村政伸のポートフォリオVol.2

旅をする中で、自身が心を動かされた風景を切り取っていく。いわば自分がいったい何処にいるのかという、自分の中のドキュメンタリー的な写真を撮り続けています。シネマスコープサイズにしているのもロードムービーのような印象を残したいから。

このチベットで撮った写真は、上が、ひしめき合う赤の建物が印象的な僧侶が住む街。下は、ごく普通の村の風景です。2枚とも「すごい！」と感動し圧倒された風景、それを思いのまま写した作品です。ただ自分の思い通りの絵を撮りたいなら、何をするにも周到な準備が必要です。しっかりした準備があるからこそ狙った風景に行き会える。それをどう切り取り、ディテールに注意をはらい、どう落とし込むかが鍵。色と彩度にこだわり、ビビッドな印象になるよう焼き込みの作業をしています。

これからも自分自身のドキュメンタリーを追いかける旅を続けたいと考えています。

上：2015年撮影（43歳）下：2005年撮影（33歳）